お酒の好きな人のために

 お酒は昔から百薬の長といわれてきました。しかし、このお酒ものみかたによっては健康を害し、人生を誤らせ悲劇をうみだす原因にもなりかねません。そこで今回はお酒の上手なのみかたについてお話ししましょう。

 お酒は自分が好きでのむ場合もあり、またつきあいでのまされる場合もあります。いずれにしろアルコールの作用をよく知り、何よりも健康第一に考えて、お酒にのまれないように気をつけなくてはなりません。

 まず自分の限度量、つまりどの位のめばほろ酔い加減か、あるいはのみすぎになるのか、自分自身にとって適度な量をよく知っておくことが必要です。

 体の中に入ったアルコールは、ほとんど肝臓で分解され、毒性の強いアセトアルデヒドとなり、更に分解されて、最後に水と炭酸ガスとなって体の外へ排泄されます。お酒に強いとか弱いというのは、肝臓の働きの強さや毒性の強いアセトアルデヒドに対する過敏度や処理能力によって左右されます。

 アルコールが体の中で処理される時間は、体質の他に体重やお酒の種類によっても違います。ちなみに60〜70kgの体重の方ですと、ビール小ビン一本、またはウイスキーシングル一杯分のアルコールを処理するのに約3時間かかりますが、200ccのワインや日本酒一合のアルコールを処理するには約4〜5時間もかかります。

 ですから、薄めのものをゆっくり時間をかけて味わうのが上手なのみかたのポイントです。

 次にお酒をのむときは必ず栄養のバランスのとれた食べ物を一緒にとることが必要です。アルコールにはカロリーはあっても栄養素はほとんど含まれておりません。

 俗説では、脂肪の多いたべものをお酒と一緒に食べると酔いがさめにくいとか、蛋白質を一緒にとるとさめやすいとかいわれていますが、蛋白質をたべたからといって、大量のお酒がすぐ無害になるなどとはくれぐれも早合点しないでください。

 次に大切な事は、一週間に一、二日、お酒をのまない日を作ってください。連日の飲酒は、いずれ体をこわすもとになります。胃、肝臓、膵臓、心臓など体のいろんな臓器がアルコールによっておかされる例が数多くおこっているのです。

 それから、最近は女性の約半数の方がお酒をたしなむといわれていますが、妊婦の方はできるだけお酒をのまないようにしましょう。

 つまり、母親が酔えばおなかの赤ちゃんも酔っているのです。どの程度から有害か、その限界をきわめることは不可能なので、のまない方がよいでしょう。

 また、かぜ薬、精神安定剤、睡眠薬などと一しょにお酒をのむと危険なことがありますから、一しょにのまないでください。

 以上の注意を守った上で、お酒をゆっくり味わい楽しみながら日頃のストレスを解消いたしましょう。

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