手足口病

手足口病とは

     手足口病は、乳幼児・小児によくみられる疾患で、手のひら、足の裏、口の中の発疹と水疱を特徴とします。一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が、1週間から10日程度で自然に治ります。合併症も、ほとんどありませんが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要となります。

手足口病の原因は

     手足口病は、いくつかのウイルスが原因で起きます。 最も一般的なのはコクサキーA16ですが、この他のエンテロウイルス71なども原因となります。いずれのウイルスでも現れる症状は同じです。

手足口病の症状は

     手足口病の発疹の特徴は、手のひら、足の裏、手や足の指と指の間を中心とした水疱性の発疹(中に水を持った水ぶくれのような小さな発疹で一見水疱瘡に似ている)で、口の中にも同じような発疹がみられます。病気の始まりのころには、一般的には微熱を伴い、また、軽いのどの痛みとそれによる食欲の低下(おなかはすくが、痛みのため食べられない)程度であることが大半です。発疹は、手足全体、肘や膝、或いは、おしりあたりにみられることもあります。

手足口病の発疹・水疱はどのようなものか

     口の発疹は、舌や口の内側の粘膜に軽度の痛みを伴った小さな水疱です。 水疱が破れて、潰瘍状になることもあります。 一方皮膚の発疹は、手のひらと足の裏に限ってできる小さな赤い発疹で、小水疱を伴うこともあります。かゆみや痛みを伴わないのが普通です。

手足口病の潜伏期間は

     感染してから、手足口病の症状がでるまでの期間は、一般的に3日から6日と報告されています。

手足口病の感染経路は

     感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。

手足口病はどのような人がかかるのか

     通常は、10歳以下の乳幼児・小児に発生しますが、大人もかかることがあります。一度かかると免疫が成立し(防御の仕組みができあがる)ますが、手足口病は、複数のウイルスによって引き起こされますので、免疫の成立しているウイルスとは別のウイルスによって再び引き起こされることがあります。

手足口病の治療法は

     手足口病に対する特異的な治療法はありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。

どのような症状の変化に注意したらよいか

     手足口病の発熱は、通常は軽度で一時的です。突然の高熱或いは微熱でも持続するもの、嘔吐を繰り返すもの、意識状態に変化が見られるものは注意信号です。

手足口病はどこの国で流行しているのか

     手足口病は、世界中で発生しています。日本でも、毎年6月第2週目頃から増加し、夏を中心に流行しています。日本では、1995年に大きな流行がありましたが、1997年には、マレーシアで、1998年には台湾で大きな流行が発生し、死者も報告されています。

手足口病の予防方法は

     手足口病には、有効なワクチンがありません。従って
    といった一般的な注意が必要です。
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