バイアグラとプロテアーゼ阻害剤(医師向き)

抗HIV薬であるプロテアーゼ阻害剤とファイザー製薬の勃起不全症の治療薬であるシルデナフィル(バイアグラ)の併用に関して、大きな関心が起こっている。プロテアーゼ阻害剤の5つ全てが肝臓のチトクロームP450CYP3A4という酵素による代謝でシルデナフィルと拮抗するので、同社は最近HIV未感染の対象者にサキナビル、リトナビルを服用させて薬物動態の研究を実施した。5つのプロテアーゼ阻害剤の中では、サキナビルがCYP3A4との阻害は最も弱く、リトナビルが最も強かった。

シルデナフィルによるサキナビルやリトナビルの薬物動態には影響がなかった。しかしながらシルデナフィルの薬物動態は、血漿最高濃度(Cmax)、薬物濃度曲線下面積(AUC)、最高血中濃度到達時間(Tmax)は程度は違うがサキナビルやリトナビルによる影響を受けた。

サキナビルと併用した場合、シルデナフィルのCmaxとAUCは、それぞれ140%、210%増加した。Tmaxは3時間に延長し、半減期はおよそ1時間に延長した。リトナビルによるシルデナフィルの薬物動態に及ぼす影響は、はるかに大きいことは驚くべきではない。リトナビルによるシルデナフィルのCmaxは4倍、AUCはおよそ11倍になった。サキナビルと同様、リトナビルによるシルデナフィルのTmaxは3時間に、半減期も1時間まで延長した。

これらの3つの結果から、ファイザー製薬ではプロテアーゼ阻害剤を服用しているHIV感染者では、シルデナフィルの服用量は半分、つまり50mgから25mgに減量すべきであるとしている。さらにシルデナフィル25mgの単回使用でも、48時間以内に服用してはいけない。これらの注意はHIV感染の有無には関係なく、エリスロマイシン、ケトコナゾール、イトラコナゾールといった他のCYP3A4阻害効果がある薬剤を飲んでいる患者でも適用すべきとしている。

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