平成30年度石川県医師会医療功労者表彰式

会長 祝辞

     ただいまご紹介に預かりましたこの6月に近藤前会長から引き継ぎ、石川県医師会会長を拝命しました安田と申します。

     この会を始める前に、この7月の七夕の豪雨と台風で被災されました方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い完全復旧を祈るばかりでございます。

     平成30年度石川県医師会医療功労者表彰式の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

     本日は、ご多忙の中、お暑いところ、これほど多くの方々にご参集頂きありがとうございます。表彰を受けられる方々、本当におめでとうございます。ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方におかれましては、心より感謝を申し上げます。また、日頃より当会へのご支援、ご厚情に対し、厚く御礼申し上げます。

     日本医師会の横倉義武会長におかれましては、極めてご多忙な日程の合間を縫って、実は今日は山口から来られました。台風直撃の山口からわざわざ皆様にお祝いを申し上げるということで、危険を顧みずにお越し頂きました。ありがとうございます。横倉会長におかれましては、先月の日本医師会会長選挙におきまして4選を見事に果たし、今後の日本の医療の舵取りと日本の国民の健康のためにますますご活躍を祈るところであります。

     また、谷本正憲石川県知事におかれましてもご多忙の日程の中、皆様にお祝いを申し上げるためにお越し頂きました。ありがとうございます。

     加えて、本日は特別に、羽生田俊参議院議員にもお越し頂きました。羽生田先生もわざわざ山口からお越し頂いて皆様に一言お祝いを述べたいということで、また後ほど、国政報告とご挨拶をお願いするところでございます。

     そして、会員の先生方におかれましては、日頃より医師会活動にもご参加頂き、深甚の謝意と敬意を表します。

     さて、本席では、石川県医師会が創設された明治40年7月28日に因み、毎年この時期に永きに亘り医療に功績のあった会員の先生方並びに医療従事職員のご功績を称えることとしております。今年は399名の方々が表彰を受けることとなりました。皆様方のこれまでのご労苦をねぎらうとともにご功績を称賛し、感謝し、お祝いを申し上げるものでございます。また、今回は3名の叙勲慶祝、13名の長寿慶祝がございます。後ほどご紹介させて頂きます。そして、県当局のご配慮により県知事表彰として5名の先生が選ばれております。後ほど県知事より表彰があります。

     さて、当会の事業は、役員の方々の温かいご支援と会員の先生方のご協力により、概ね順調に推移していることをご報告いたします。

     医療は時代の変遷とともに移り変わります。今は3つの時代の流れがあります。

     一つは、人口動態です。団塊の世代が後期高齢者に入る2025年。続いて、その団塊世代のジュニアが65歳以上に入り、労働者人口がどんどん減少していく2040年。この人口動態において、医療・介護の需要と供給が短い間に逆転します。

     二つ目の流れとしては、ライフ&ワークバランスということで、働き方改革が大いに叫ばれております。これは後からお話される羽生田先生が座長をされております。我々の業界では、改革が行き過ぎると医療が荒廃します。そのため慎重な検討をお願いしたいところであります。

     三つ目の流れとしては、実は静かに地下を流れているstrong current と申しますか、大きな潮流があります。それは、都道府県への医療政策再編であります。この4月から国保の都道府県化が始まりました。また、被用者保険の都道府県化を行い、保険料率を揃えることで負担の公平化、財政の安定化を図ることが可能であります。最近は、医療介護で語られる地域医療構想は、都道府県への医療政策再編という文脈で捉えることも重要だと思っております。

     この3つの大きな流れの中で、石川県医師会という船は「かかりつけ医機能の拡充」という帆を張りながら進んでおります。荒海にはいろいろな悪条件が漂っております。「専門医制度」という渦潮があります。あまりにも激しい渦潮だと地域医療は荒廃します。そこで今、渦潮の元となる海底の地形を少しずつ修正しているところであります。また、こちらには「病床再編」という浅瀬があります。これは埋め立てばかりしていると座礁します。時には新設が必要かと思います。また、海の底を見てみると、「遠隔診療」という疑似餌があります。太った魚が虎視眈々と健康産業という名のもとでねらっております。遠くを見れば、「高額医療」という岩場があります。我々は保険という護送船団で航海を続けておりますが、この「高額医療」という岩場に護送船団の船が衝突しないように、その中で航海を続け、漕ぎ続け、そして地域医療を担う船として、良質で安全・安定した医療提供体制の実現と県民の皆様方が平等で安全で安心できる社会の実現に向け、これまで以上に会員各位・関係団体の皆様方のお力を借り、この過渡期を乗り切りたいと思っております。

     最後になりましたが、本日表彰を受けられます会員、医療従事職員の皆様並びにご出席の皆様方の今後ますますのご活躍とご健勝をご祈念申し上げ、開会の挨拶とさせて頂きます。

    平成30年7月29日

    石川県医師会 会長 安田 健二

被表彰者

    会員の部

        郡市医師会氏名医療施設名
         金沢市医師会  橋本 英樹  はしもと医院 
         金沢市医師会  久保  実  石川県立総合看護専門学校 
         加賀市医師会  清水  晋  動橋診療所 
         小松市医師会  秋山 典子  医療法人社団澄鈴会 粟津神経サナトリウム 
         羽咋郡市医師会  轟 千栄子  とどろき医院 
        郡市医師会氏名勲  等受章年月日
        能登北部医師会 大貫 善信  旭日双光章  平成29年11月3日 
        河北郡市医師会 竹越  襄  旭日中綬章  平成30年4月29日 
        河北郡市医師会 山崎 軍治  旭日双光章  平成30年4月29日 

    医療従事者の部

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