令和3年6月、渡部礼二先生の後を受けて石川県小児科医会の会長の任を担うことになりました。

小児科医会は第一戦で小児科診療に当たっている開業医を中心として、実際の臨床問題を扱いながら発展してきました。小児科医会は進化している診療技術や知識の研鑽の場であり、進歩している医療を広めて子ども達の健康に資することを目的とした会です。診療所の小児科医は病院や大学での研究や勤務を経た経験豊富な小児科医がほとんどです。そのため感染症、アレルギー、循環器、内分泌、神経、腎臓などといった専門分野を持っています。近年では小児科の新規開業が少なく、小児科医会も勤務医会員が増加し、会員の約半数が勤務医です。一般外来だけでなく、健診や急病診療においても開業医と勤務医が連携、協力して、子供たちが最良の医療を受けられるように努力をしています。

石川県小児科医会は3つの大きな事業を推進しています。感染症対策および予防事業、救急・急病診療および母子・乳幼児・学校保健です。感染症対策では、ワクチン接種推進の他、石川県感染症サーベイランスへの参加・協力および感染症発生動向調査を行うと共に、IDWR(国立感染研情報センター感染症週報)等の情報をメールで会員へ情報を伝達しています。また「はしかゼロ作戦委員会」は全国の麻疹対策を牽引し、2017年に金沢市で麻疹患者が発生した際にも行政と協力し対応致しました。救急・急病診療では実際に休日当番医や急病センターへの出向を担当する他、時間外相談ポスターの作成や小児救急、♯8000、新型コロナウイルスに関するアンケート調査などを行っています。母子・乳幼児・学校保健関連では、乳幼児健診や保育所・幼稚園・学校での健診を通じて健康管理の質の向上への協力をして参りました。今後は在宅医療・障がい児への対応、こころのケア、思春期医療などにも積極的に取り組んでいきます。

石川県小児科医会はこれからも県内の子ども達が心身共に健康に成長するよう、また子育て家庭へ少しでも育児支援ができるよう地域の医療、保健、福祉の充実のために努力をしていきます。石川県小児科医会の様々な活動に御理解頂くとともに、御指導と御協力をお願い申し上げます。

石川県小児科医会長 久保 実