平成16年3月

石川県共通の基準範囲の設定(最終案)

方法

 本県の基準値の設定にあたり、十分な健常者のデータを独自に集計せずにこれまでに福岡県および熊本県が公表したデータに基き、最新の国内の学会勧告ガイドラインを取り入れることで作成した。なお、本基準は疾患スクリーニングを目的としたもので、健康診断における判断基準、指導区分ではないことを申し添えます(文献10を参照)。
項目単位測定法以上-以下を示す 未満は記載する文献
AST (GOT)U/lJSCC13-33
ALT (GPT)U/lJSCC8-42M, 6-27F
LD (L->P)U/lJSCC119-229
AlpU/lJSCC115-359
γGTU/lJSCC10-47
CKU/lJSCC62-287M, 45-163F
 
Albg/dlBCG法4.0-5.0
BUNmg/dl酵素法8.0-22.0
CREmg/dl酵素法0.6-1.0M, 0.5-0.8F
UAmg/dl酵素法3.6-7.0M, 2.3-7.0F*31+3
Glumg/dl酵素法69-110未満*41+4
 
T-CHOLmg/dl酵素法128-220未満*51+5
TGmg/dl酵素法30-150未満*51+5
HDL-Cmg/dl直接法40ー100未満*5,65+6
 
NamEq/l電極法135-149
KmEq/l電極法3.5-4.9
ClmEq/l電極法96-108
Camg/dlOCPC法8.0-10.5
参考値
T.bilmg/dl酵素法0.3-1.2*
Feμg/dl直接比色法49-219
Pmg/dl酵素法2.5-4.5
TPg/dlBiuret法6.7-8.3
M男性、F女性を示す。病態識別値には*を付記した。
参考値は標準物質のない検査項目である。高齢者の基準範囲は文献9を参照すること。
ビリルビン上限値*は体質性黄疸の鑑別のため付記した。

文献

1)中原睦子ほか 日常内部QCと連携させた地域精度管理体制の検討
 医学検査 45:1106-1110, 1996
 木下幸子ほか 福岡県における臨床検査測定値標準化の現状
 臨床病理 49:512-521, 2001
2)熊本県臨床化学検査値 標準化マニュアル
  平成12年3月31日発行
3)高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第1版
 日本痛風・核酸代謝学会 2002
4)糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告
 糖尿病1999; 44:385-404
5)動脈硬化性疾患診療ガイドライン
 日本動脈硬化学会 2002
6)垂井清一郎:厚生省特定疾患原発性高脂血症調査研究班
 昭和61年度研究報告書 1987
7)市原文雄ほか 血清クレアチニンの基準範囲について
 臨床病理 45:162-165、1996
8)内科学 付 基準値 朝倉書店 第8版2003 総編集 杉本恒明、小俣政男、水野美邦
9)豊福美津子ほか 外来患者データを用いた高齢者年令別基準範囲の推定
 臨床病理 47:165-169, 1999
10)後藤由夫 成人病健診における判断基準
 臨床検査 40:1403-1408, 1996