県民の皆様に
低血糖について
「低血糖について」
■低血糖とは
糖尿病は、インスリンの量や作用が不足して、高血糖状態が続く病気です。この高血糖を治すのが糖尿病の治療ですが、それには血糖を下げる飲み薬やインスリンなどの注射を使うことがあります。これが効き過ぎて血糖が下がり過ぎるのが低血糖です。■どんなときに低血糖になりやすいのか
- 薬を服用（インスリンを注射）したのに、食事を抜いた時や遅れた時
- 薬の量を多く飲んだり、注射した時
- いつもより激しい運動をした時
- 空腹時に運動した時など
■低血糖の症状
個人差はありますが、一般的には血糖値が70mg/dL以下になると自律神経の反応（血糖値を上げようとする）による症状が出現します。さらに血糖値が下がり、50mg/dL以下になると、中枢神経まで影響し、意識障害等の症状が出現することがあります。低血糖の症状の出現には個人差があります。低血糖になった時に、どのような症状が出るかを確認し覚えておくことはその後、重症低血糖を防ぐことにも繋がります。低血糖の症状
| 血糖値（mg/dL） | ||
| 70 | 空腹感、あくび、悪心 | 自律神経の症状 （警告症状） |
| 60 | 発汗、動悸、手指の震え、熱感、不安感、悪寒 | |
| 50 | 集中困難、脱力感、眠気、めまい、疲労感、ものがぼやけて見える | 中枢神経のグルコース欠乏症状 |
| 40 | 意識障害、異常行動 | |
| 30 | けいれん、昏睡 |
＜無自覚性低血糖＞
無自覚性低血糖とは、血糖値が下がっても代表的な低血糖症状（自律神経系の症状）があらわれず、そのまま血糖値が下がり意識障害や昏睡などの重篤な中枢神経系の症状が突然あらわれてしまう低血糖です。誘因として、低血糖や夜間低血糖を繰り返していることや糖尿病の合併症で自律神経障害がある場合があげられます。■低血糖の対処方法
低血糖の症状を感じたらすぐに、ブドウ糖を10ｇ、あるいは砂糖20ｇをとるか、同等の糖分を含む市販飲料（150～200mL）を飲みます。このとき、余裕があれば血糖を測り低血糖であることの確認をしましょう。低血糖はいつ、どこで起こるかわからないので、糖分をつねに携帯しておくことが大切です。また、次の食事までに時間がある場合（1時間以上）には、クッキーなどの炭水化物を摂る必要があります。＜α-グルコシダーゼ阻害薬を服用しているとき＞
α-グルコシダーゼ阻害薬（α-GI）の種類| 一般名 | 商品名 |
| アカルボース | グルコバイ など |
| ボグリボース | ベイスン など |
| ミグリトール | セイブル |
α-GIは、砂糖（二糖類）がブドウ糖（単糖類）に分解されることを阻害することで糖の分解・吸収を遅らせるため、低血糖時、早く血糖を上げるためにはブドウ糖が必要です。
＜糖尿病カード、糖尿病連携手帳を持ちましょう＞
糖尿病カードとは、突然重度の低血糖や意識障害、昏睡状態になってしまったとき、周りのひとに、自分が糖尿病で治療中であることを知らせるためのものです。常に糖尿病カードや糖尿病連携手帳を持ち歩くことも、低血糖になってしまった時の重要な対策の一つとなります。■日常生活での注意
低血糖にならないようにするにはどうすればよいのでしょう。それは、からだのインスリンの必要量と薬や注射で補うインスリンの量のバランスを崩さないことです。そのため、できるだけ規則正しい生活を心掛けましょう。決まった時間に指示カロリーどおりに食べ、指示時刻に薬を正しく飲み（注射し）、一定の運動をしていれば、インスリン量のバランスが崩れることも少ないはずです。低血糖対策の知識を十分身に付け、規則正しい生活を心掛けて、よりよい血糖コントロールを目指しましょう。
＜低血糖時に摂取する糖分についての注意＞
①次のような食品は、低血糖時の糖分補給に適しません。- 「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーオフ」「低カロリー」などと表示されている食品や飲料
- スポーツ飲料（ポカリスエット、アクエリアスなど）
②市販の清涼飲料水には、商品によってブドウ糖を多く含むものと砂糖を多く含むものがありますので注意が必要です。（α-グルコシダーゼ阻害薬を飲んでいる場合には、必ずブドウ糖が必要です）
| ブドウ糖を多く含むもの |
| コカコーラ |
| ファンタオレンジ |
| ファンタグレープ |
| カルピスウォーター |
| はちみつレモン |
| リアルゴールド |
| 砂糖を多く含むもの |
| 紅茶花伝 |
| ジョージア |
| 午後の紅茶 |
| サントリーボス |
| オロナミンC |
9472