県民の皆様に

運動の話

「運動療法」

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公益社団法人 石川県理学療法士会
片田 圭一(2013年)
糖尿病の治療の三本柱として「運動療法」「食事療法」「薬物療法」があげられます。
そこで、「運動療法」をご紹介し、皆さんにお勧めいたします。

身体を動かすことによる血糖値に及ぼす効果

1)筋収縮によって糖の消費が促進され血糖値の改善がみられます。
 身体を動かす際には、筋肉によって糖がエネルギー源として消費されるのです。
2)運動(活動)を継続するとインスリンの効きがよくなります。
 筋細胞がインスリンというホルモンに反応して、たくさんの糖を取り込むようになります。

治療効果のある身体の動かし方

1)筋肉がリズミカルに収縮する運動(歩行運動、自転車こぎ、家事、庭の手入れなど)
2)「楽」もしくは「ややきつい」と感じる程度の運動の強さ
3)運動の持続時間は1回20分間(前後3分間は優しい運動)、または細切れでも週に150分間
4)運動する時間帯は、食事後1〜2時間(食後30分間は運動しない)
5)運動の頻度は、週に5回を目標にする

運動を継続するためのポイント

1)運動は気軽に始めて下さい。無理はしなくて良いです。
2)運動を行い心地よい気分を体験して下さい。
3)しっかり運動できる自分を褒めてあげて下さい。
4)血糖値や体重など検査データに興味を持って下さい。きっと良いことがあります。
5)歩数計を持つと動いた量がわかり、続ける励みになります。

運動を行う上での注意点

1)糖尿病の合併症が進行すると運動を行うことで病状を悪化させますので、運動を始める際は主治医に相談して下さい。
2)歩行運動は脚の関節に負担をかけるので、関節に痛みが出た場合は主治医もしくは医療専門職に相談してください。
3)ランニングや縄跳びなどは強い運動となり、身体を興奮させるホルモンが分泌され血糖値や血圧が上昇することがあります。強い運動は控えましょう。

石川県理学療法士会では、運動療法の専門職として県民の皆さんに症状に合わせた適切な運動療法を推奨しています。

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