バイアグラとプロテアーゼ阻害剤(一般向き)

リトナビルは併用禁忌や併用注意が多い薬です。それだけしっかりCYP3A4を優先的に独占してしまい、バイアグラがCYP3A4とくっつくのを邪魔してしまいます。リトナビルがCYP3A4と結合している間、バイアグラは血管の中に残り、血中濃度は予定をはるかに上回って高く、そして長い間停滞してしまいます。

飲んだ本人はどうなるでしょう? バイアグラの強力な血管拡張作用によって、平素以上に血圧がズドンと下がってしまう。人によっては耐えきれません。頭はガンガンする、気持ちは悪くなる、下手をすると死ぬ可能性だってあります(実例はありません)。

この話は笑いごとではありません。真剣な話です。HIV感染者も当然セックスします(防護をきちんとしましょうね)。その中に、深刻な勃起不全症に悩んでいる人がいれば、バイアグラの適応になるでしょう。

プロテアーゼ阻害剤を飲んでいるHIV感染者の方。日頃の主治医に内緒で別のお医者さんに行って、HIV感染者であることを内緒にして薬を処方してもらわないようにして下さい。必ず相談して下さい。HIV感染症の臨床医の方。自分の専門外の勃起不全症の正しい診断と治療法を見につけるか、勃起不全症の専門医と連携をはかる必要があります。かかりつけ薬剤師は、併用薬チェックリストにバイアグラを加えて下さい。

バイアグラはファイザー製薬の勃起不全症治療薬、クエン酸シルデナフィルの一般名です。1998年12月に日本でも新薬承認を得ました。

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