うつ病

 うつ病とは、その名のとおり、気分がめいってどうしようもなく憂鬱な状態になる病気です。悲しくって、絶望感にうちひしがれ、自信を失い、何事にも悲観的となってしまいます。体のちょっとした不調を、重大な疾患にかかったのではないかと思ったり、自分は何の価値もない人間で、生きていく値うちもないとか、過去のちょっとした失敗に対し、とり返しのつかない罪をおかしたとか、まわりの人に迷惑をかけており自分がいない方がいいのではないかと考えたりします。表情は暗く沈んだ感じで、ほとんど喋らなくなり、話しかければなんとか返事をするが、ボソボソとききとりにくく、自分から何かをするということはなくなり、ひどくなると何もしないで、終日横になっているようになります。又いろいろの身体の症状を伴い、食欲もなくなり体重も減り、疲れやすく、性欲もなくなり、不眠もみられるようになります。

 うつ病になりやすい性格としては、真面目で几帳面、凝り性で、秩序を重んじそれに束縛され、物事を柔軟に処理することが出来ないなどがあげられています。発病のきっかけとして、転勤、転職、引越し、昇進、退職、近親者の死亡等があり、女性の場合は、特に家庭内の問題をめぐって生じやすいといわれています。

 治療としては、できるだけ早く専門医に相談することが、第1番ですが本人が、自分からすすんで病院にいくことは少ないので、まわりの人が早く受診させるよう配慮することが大切です。うつ病の人に対して、「気のせいだ」とか、「しっかりしろ」、「頑張れ」などとはげますことは、かえって本人の絶望感を強め、自殺に追いこむことがあるので、注意しましょう。本人自身が、頑張らねばと思いながら、頑張れないことで悩んでいるのですから、必ず治るのだから今はすべてのことを忘れ十分休んでほしいと、できるだけ早く休養をとらせることが大切です。職業の変更や、離婚問題などの人生にかかわる大事についての決定は、病気が治るまで待つようにさせましょう。最も大切なことは自殺の予防で、うつ病の人は、多かれ少なかれ、自殺の危険があるので注意が必要です。特にうつ状態の最もひどい状態の時よりも少しよくなり回復にむかってきた時に多いので厳重な注意が必要です。

 いずれにしろ、少しでも変だとまわりの人が気づいたら、できるだけ早く専門医に診せることが大切です。

2536
ページTOP