アレルギー性鼻炎のお話

 アレルギー性鼻炎は、特定の抗原に対するアレルギー性体質を持っている人の鼻の中に抗原が入ると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが繰り返して起こる特徴的な病気です。鼻風邪でもこのような症状が出ることがあるので、鼻水を検査して、アレルギーの時に出てくる細胞を調べたり、皮内テストや血液検査をして、どんな抗原が原因となっているのかを調べます。

 季節性のアレルギーは花粉が原因となります。また、通年性のアレルギーは家のほこりやカビや動物の毛などが原因で起こります。

 アレルギーを引き起こす花粉の種類と季節は、スギ(2〜4月)、ヒノキ(3〜4月)、イネ科(5〜6月)、ブタクサ(8〜10月)、ヨモギ(9〜10月)です。

 アレルギーの原因となる抗原を予防するためには、まず耳鼻科で検査を受けて自分が何に対してアレルギーがあるのかを知る必要があります。

 花粉が飛ぶ時期の予防には、花粉が混じった外気を室内に入れないようにしましょう。スギ花粉の飛散情報は新聞やテレビで知ることができますので、花粉の多い日は外出を控えたり、外出をする時はマスクや眼鏡をかけ、帰宅時は屋外で服をブラッシングするようにします。花粉は午前中に多く飛ぶことが多いので、ふとんを干す場合は、できれば正午から3時頃までに行います。風の強い日は窓や戸を閉め、花粉が室内に入らないようにすることが大事です。その外、身近にある雑草が原因になっている場合は、除草を行うのも良い方法です。

 次に、通年性のアレルギーの場合は室内のダニやカビの繁殖を防ぐことやほこりを少なくすることが重要です。ダニのエサになる髪の毛やフケ、食べ物のクズをこまめに掃除し、部屋をよく換気します。カーテンの洗濯、ぬいぐるみの丸洗い、寝具やタタミを日光にあて湿気やほこりを取り除くことや、押し入れの湿気取りもしましょう。空気清浄機の使用も有効です。また、ほこりがたまりやすいじゅうたん、布製のソファー、クッション、ソバガラの枕の使用や、冬、部屋を加湿しすぎることはなるべく避けましょう。

 症状が出てしまった時の治療法としては、鼻の通りを良くする薬やアレルギーを抑える薬を鼻の中へ噴霧したり、飲み薬を飲んだりします。そのほかアレルギーの原因となる抗原を注射して、体質を変える方法も行われます。また鼻詰まりを良くするための手術を行うこともあります。

 アレルギー性鼻炎の症状は人によって軽いものから重いものまであるので、耳鼻咽喉科の専門医と相談の上で、自分にあった治療法を選択することをお勧めします。