加賀市医師会活動前会長 竹谷喜平

 「医師会」の呼称は、明治37年頃内務省医師会規則によって、任意加入制の江沼郡医師会が設立された時に始まるものと推測される。その後、いろいろな変遷を経て、昭和33年加賀市制発足と共に、加賀市医師会と改められた。加賀市医師会の初代会長は、稲坂謙三先生であり、医師間の信頼関係を確立するため、「和と寛容」の精神が大切であることを強調なされ、加賀市医師会の基盤を作られた。
 また、三代会長の大幸英吉先生は、13期27年と長期にわたり会長職をお努めになられ、その間、会員の指導と地域医療充実に御尽力なされる傍ら、桂田富士郎博士の胸像再建、本川弘一、中谷宇吉郎両先生の顕彰、医事放談の発刊等、先生のご功績は数多くあり、特筆されるべきであろう。
 さて、昭和30年頃より、急速に医学の進歩、多様化、複雑化が進み、これに対応するため、医師会としての役割も極めて重要になった。しかし、如何に医療技術等が進歩しようとも、医の倫理は不変である。加賀市医師会は、倫理昂揚のため、また、医学の進歩に遅れる事がないよう、学術講演等生涯教育に重点をおき、住民に良質且つ高度安全な医療を提供する方針で、会員一同努力を重ねているところである。次に、会員の親睦と情報交換を計るため、地区別に「八日会」「十日会」を毎月開催し、また、医師会全体としては、4月には総会、12月には忘年会を行っている。夏には、歴史探訪、登山、温泉めぐり、観劇等親睦と教養を深める目的でバス旅行を、また、年2回ゴルフ大会を計画し親睦を深めている。更に、地域医療充実のため大きく貢献している医療従事者に対して、毎年6月、その功績を讃え表彰式を行い、医療従事者の福利厚生にも力を注いでいる。
 現在加賀市医師会員は86名であり、医療、保健、特に検診事業、予防接種、学校医、産業医として、また、福祉の充実、介護保険事業にも活躍し、先輩が築き上げられた基礎を大切にし、今日極めてきびしい医療状況ではあが、一致協力し、関係各位のご協力を得ながら住民の健康と福祉を守るため懸命の努力を続けているところである。また、市および県の防災訓練(9月1日)にも参加協力し、災害時に対処出来るよう体勢を整えている。 
 最後になりましたが、昭和33年から39年まで、第2代会長として御活躍いただいた正来智定先生は、現在96才というご高齢ですが、我々会員のため長老としていろいろ御指導を賜っております。心から感謝申し上げ、益々ご健勝であられるよう念じ上げ、また、会員各位には、加賀市医師会発展、充実のため今後共絶大なるご協力を賜りますようお願い申し上げます。
1998.12. 3 記


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