第37回石川県医師会創立記念祭

会長 祝辞

    本日、ここに平成18年度石川県医師会創立記念祭の式典を開催するにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

    金沢市大手町に石川県医師会館が建設されたのを契機に始められた創立記念祭も、本年は第37回を迎える事となりました。

    歴史を顧みますと、明治40年7月の発会からは99周年、社団法人となった昭和22年11月からは58周年となり、来年は石川県医師会が誕生して実に100周年という大きな節目を迎える事になります。

    この間、石川県医師会の活動を指揮先導されました歴代会長を始め、役員の諸先生方のご努力並びに多くの会員のご理解とご協力の上に、今日の石川県医師会が存在するものであります。

    本日の記念祭には、公私に亘って大変お忙しい中を、日本医師会から唐澤 人会長にご来県頂き、また谷本 正憲石川県知事、北村 茂男衆議院議員、西島 英利参議院議員、金沢市長代理として須野原 雄助役を始め多数の御来賓各位のご臨席を賜りました。衷心より深く感謝申し上げます。

    式典におきましては、地域医療に貢献される事30年以上の会員及び勤務成績優秀な長期医療従事者に対する表彰、並びに叙勲受章者と満80歳に達せられた長寿会員、長期在任役員・代議員の方々にお祝いを申し上げる事としております。本日表彰或いは慶祝申し上げます各位のご功績に対しまして、心から敬意と謝意を表するものであります。

    また、本席では、毎年石川県の表彰要綱に基づき、医療功労者に知事表彰を頂いておりますが、本年は8名の会員が名誉ある知事表彰を受賞される事になりました。ここに谷本石川県知事に対しまして厚く御礼申し上げます。

    さて、医療を取り巻く環境は極めて厳しく、本年4月の診療報酬改定ではマイナス3.16パーセントと大幅な引下げとなり、医療現場に大きな衝撃を与える事となりました。しかし、現実の影響はこの程度の数字に止まらず、本県医療機関も協力した日医総研による緊急レセプト調査では、診療科によっては10パーセントを超えるマイナスとなっており、診療報酬の改定の度毎に国が示す改定率と現実の乖離は過大にすぎるのではないかと感じております。今後の状況によっては、改定内容の大幅な修正を求める行動を視野に置くべきと考えています。

    更に、政府・厚生労働省は現在38万床ある療養病床を6年間で15万床にまで削減する再編計画を4月13日に明らかにしました。これに対し、石川県医師会は5月11日の理事会で「国の療養病床再編計画は介護難民を増加させる危惧がある」として反対の声明を行い、声明文を関係各方面に送付致しました。この反対声明は全国の医師会に先駆ける形となり、本県選出の国会議員諸先生や他都道府県医師会からも一定の評価を受けたところであります。

    また、去る7月7日に「骨太の方針2006」が閣議決定されましたが、ここでは、今後5年間で社会保障費1兆6千億円削減を盛り込み、医療分野では公的保険給付の内容・範囲や診療報酬、薬剤費の在り方等の見直しを行なうとしています。私共は骨太の方針2006に於て、保険免責制度の導入、混合診療の適用拡大、後期高齢者の患者負担増等の具体的な文言が書き込まれることの無いよう、本県選出の自由民主党国会議員諸先生方に対し、陳情文を送付するとともに、議員会館に訪問し直にお話申し上げました。全国医師会のこうした反対陳情活動が効を奏し、具体的記述の記載は免れましたが、我々医師会は国民医療を守る為に今後も医療費抑制の圧力に厳しく対峙していかなければならないと考えております。

    本年は役員改選の年に当り、石川県医師会にあっては4期8年に亘って手腕を発揮して来られた梅田 俊彦会長を始め多くの役員の先生方が退任され、その後を受け継いで新しい執行部が誕生致しました。平成18年度の事業計画の中には、新しく、医療保険対策検討委員会、45歳以下の会員で構成される、医師会の在り方に関する検討委員会、医療制度改革対策会議、医療制度モニター設置準備委員会、初めての女性理事を迎えて女性医師検討委員会を設け、事業に取り組む事と致しました。執行部としては、専心誠意、県民の健康保持増進と会員の皆様のご意見を体した活動を展開して参る所存でございますので、よろしくご理解とご指導、ご協力をお願い申し上げます。

    日本医師会に於ても、4月1日に開催された第114回定例代議員会において、唐澤 人会長以下の新執行部が誕生されました。唐澤会長のご就任をお慶び申し上げますとともに、国民の健康を守る医療制度の維持向上に一層のご尽力を賜りますことをお願い申し上げます。

    県民の健康を守る取組みについては、我々医療提供者の目線を、県民の皆様方や患者の方々とともに在るという方向に向けていかなければなりません。その為には、広く県民と語り合う姿勢が大切であります。地域医療のあるべき姿については、報道関係の方々とも活発な意見交換をして参りたいと考えております。

    医療倫理の確立や医療安全への取組みについては、法に悖る事なく適正に対処する事は当然でありますが、先般の報道にもありました様に、医師の名義借りによる不正請求のため、保険医療機関指定取消処分を受けた医療機関が出た事は甚だ残念であります。私共は郡市医師会の先生方と膝を交えた意見交換の場を設け、医の倫理の高揚に努めて参りましたが、更に努力を重ねる所存でございます。

    石川県医師会のこの一年の取組みの中で、主要なものについて触れさせて頂きます。

    昨年8月27日には第1回医療政策懇談会を開催し、武見 敬三、西島 英利の両参議院議員にご来県を頂き、国民医療に対する認識や国会に於ける議論の経過をお聞きし、医政に対する意見交換の場と致しました。時恰も衆議院解散に伴う総選挙の只中で、150名もの会員の先生方に出席頂き盛況な会となりました。本年は9月18日に第2回の医療政策懇談会を予定しておりますので、多数のご出席をお願い申し上げます。

    9月11日の衆議院議員選挙においては、自由民主党が圧倒的多数を占めるところとなり、本県においても私共が推薦した候補者4名全員が見事当選されました。しかし、この小泉首相の圧倒的勝利が、医療制度改悪に弾みをつける事となった事はご承知の通りであります。

    県民と共にという視点から始めた「健康について、みんなで語ろう会」も回を重ね、第3回を12月3日に開催致しました。石川県歯科医師会、石川県薬剤師会、石川県看護協会との共催で、劇団四師座によります寸劇も関係者の努力、県民の支持で定着し、新聞・テレビでも大きく報道されるようになって参りました。本年度は10月22日の開催に向け、実行委員会を立ち上げ取り組んでいる所であります。

    老朽化しておりました第二会館は問屋町に新築移転し、去る4月9日、建物の名称を石川県医師会健康管理センターと改め、竣工式を挙行致しました。診療報酬の改定毎に検査点数が引き下げられる厳しい経営環境ではありますが、会員の皆様のご理解で石川県医師会臨床検査センターの利用が増加致しますよう、何卒ご指導、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

    12月1日、高齢者の患者負担増、療養病床の食費・居住費の保険外し、高額療養費限度額の引き上げ等を内容とする「医療制度改革大綱」が策定されました。石川県医師会は、本大綱は世界に冠たる我が国の国民皆保険制度を崩壊させるものであるとして「反対」の署名活動を展開し、僅か1か月の間に16万3千名余り、全国では実に1,663万名もの方々の尊い署名を頂きました。会員の先生方のご尽力に改めて厚く御礼を申し上げます。なお、この反対運動については、県民の理解を頂く為の記者会見を12月1日、県政記者室で開催し、報道各社に大きく取り上げられたことはご承知のとおりであります。誰もが安心して良質な医療を受けられるよう、関係団体の皆様方と手を携えて今後共努力して参る所存でございます。

    行政との連携については、石川県健康福祉部との定期的な意見交換、石川社会保険事務局との打合せ、石川労働局との協議等常々密接な情報交換に努めております。

    臨床研修医に対するオリエンテーションについては、本年も4月に金沢大学医学部附属病院、金沢医科大学病院、石川県立中央病院へ出向き、医師会への理解を求め加入を勧奨すると共に、万一医療事故が発生した場合に備え日本医師会が臨床研修医を対象に新設した医師賠償責任保険の有利性も説明して参りました。

    医師会関連諸団体の運営につきましては、医師信用組合、医師協同組合、アイエム商会、医療在宅ケア事業団にあっても着実な事業運営がなされておりますが、会員の皆様方のより一層のご利用をお願い申し上げます。

    以上、主要な事業の取組みの一端について申し上げましたが、ここに改めて、石川県医師会が、今後とも地域の患者の皆様、県民の方々とともに歩んでいくことをお誓い申し上げたいと思います。

    最後になりましたが、会員の皆様におかれましては、極めて厳しい医療環境の中でありますが、県民の健康を守る為、より一層の研鑽を積まれると共に、医師としての倫理の向上に努められますよう切にお願い申し上げます。

    本日表彰されます会員、医療従事者各位並びにご来賓の方々のご健康とご多幸、益々のご活躍をご祈念申し上げまして式辞と致します。

    平成18年7月30日

    石川県医師会 会長 小森 貴

被表彰者

    会員の部

    医療従事者表彰の部(352名)

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