石川県医師会創立103周年記念祭

会長 祝辞

     本日、ここに平成22年度石川県医師会創立103周年記念祭の式典を開催するにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

     本日は、大変お忙しい中、日本医師会から横倉副会長、谷本石川県知事、山出金沢市長、奥田衆議院議員、藤井県議会議長を始め、多くのご来賓の方々にご臨席を賜りました。心から感謝を申し上げます。

     式典におきましては、永年地域医療に貢献された会員及び長期医療従事者に対する表彰、並びに叙勲受章者、長寿会員、長期在任役員・代議員の方々にお祝いを申し上げることとしております。各位のご功績に対しまして、心から敬意と謝意を表するものであります。

     また、本年も8名の会員が、医療功労者として県知事表彰を受賞されることになりました。谷本知事には改めて厚く御礼申し上げます。

     本年は梅雨時期に入って異常気象ともいえる局地的な豪雨が、全国各地で多発しました。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。

     また昨年は、4月に発生しました新型インフルエンザが、瞬く間に日本を含め、世界中に蔓延したことにより、医療関係の皆様方には、国のめまぐるしく変わる対応方針の中、診療、ワクチン接種などに多大なご尽力を賜りましたことに改めて厚く御礼を申し上げます。

     本年は未だ流行の兆しは見えてはおりませんが、今後の動向に留意しつつ石川県などとの連携を図りながら最大限の配慮をして参りたいと考えております。

     昨年夏の衆議院総選挙並びに先の第22回参議院選挙の結果は、いずれも我が国の現状、政権運営のあり方に対して国民の厳しい審判が示されたものであると考えており、このことは真摯に受け止めなければなりません。

     石川県医師会は専門職能集団として、現在もそしてこれからも、在るべき医療の姿を訴え続けていかなければなりません。私たちが守るべきものはただ一つ患者さんであり、その命であることを重く確認したいと思います。石川県医師会は今後とも病や障害と闘っている方々のために行動するとともに、在るべき医療を提言するため、自らの政策立案能力を高めて参ります。

     本年は、役員改選の年であり、会員の皆様方のご推挙を頂き、会長として3期目を迎えさせて頂きました。更なるご支援、ご指導を賜りますことを衷心よりお願い申し上げます。

     また、日本医師会におきましては、4月の第122回定例代議員会において、新たな執行部が誕生したところであります。原中会長及び本日ご出席頂いております横倉副会長並びに各役員のご就任を心よりお慶び申し上げますとともに、日本医師会がその存在意義を会員、国民から厳しく問われていることを真摯に受け止め、国民のための医療の理念を改めて確立し、在るべき医療の具体像を提示し、全ての医師の心を一つにして行動できる活動指針を明確にしつつ、国民の健康を守る医療制度の維持向上に、より一層のご尽力を賜りますことをお願い申し上げる次第であります。

     さて、類をみない急速な少子高齢社会を迎える中で、本来ならば所得配分の見直しと、患者、子ども、お年寄りなどの生活弱者への手厚い配慮がなされるべきであったにも関わらず、財政偏重の社会保障費削減政策によって、特に、産科、小児科、救急医療などの崩壊が叫ばれ、世界に冠たる国民皆保険制度も存立の危機に瀕し、医療現場の疲弊は限界に達した感があります。

     こうした財政主導型から脱却できない現状を続ければ、国民の負担増と医療の質の低下を招くなど、ますますの地域医療の崩壊が危惧されるところであります。

     また、一方で国民の医療に対する期待はますます高まってきております。理想とされる社会は、一人ひとりが安心して生活ができ、個性が尊重される中で、最大限の自己実現が可能であり、尊厳を持って生きることができる社会であります。この実現のためには医療は、社会的共通資本として強い機能を果たす必要があります。医療崩壊を防ぎ、よりよい医療制度を再生していくためには、安定した財源を確保し、医師等を増やし、勤務医等の労働環境を改善するための議論が不可欠であります。

     我が国の医療の現状は、OECDヘルスデータ2009によれば、対GDP比総医療費が加盟30か国中21位であるにも拘わらず、平均寿命は1位、乳幼児死亡率は4位であり、我が国の医療提供体制が、いかに医療現場における医療従事者の方々の献身的な働きによって支えられているかが明らかであります。

     こうした中で、石川県医師会は、「県民のいのちをまもる」ことを高く掲げ、各施策を実行して参ります。

     まず安全、危機管理対策として、Autopsy imagingを導入した死因究明システムのより一層の推進を図るとともに、新たな取り組みといたしまして、医療に携わる全ての人たち・団体等に参加を頂き、医療安全と信頼される医療の確立を目指すため「医療安全全国共同行動」の地域推進拠点としてその行動を展開することとしております。

     また、県民とともに歩む視点から始めた「健康についてみんなで語ろう会」、「メディバタ会議」、「県民公開講座」も、それぞれ8年目、4年目を迎えます。これらの事業を一層充実させ、開かれた医師会を目指すとともに県民との信頼をさらに深めて参りたいと考えております。

     全ての医師が誇りを持って診療に臨むことができる環境整備は、医師会の重要な責務であります。勤務医、女性医師、若い医師の勤務環境の改善、キャリア形成に資するため、勤務医支援総合対策委員会での議論の具現化、女性医師支援センターの充実、若手医師による医師会改革のための提言の実現などに努めることとしております。

     公益法人制度改革への対応は重要な課題であります。医師会業務は極めて公益性の高い活動であり、この対応に誤りがあってはなりません。100有余年に亘って先人達が築き上げてきた県医師会を、後世に恥じぬ団体とすべく、会員の声をお聞きしながら慎重に対応して参ります。

     医療倫理の確立や医療安全の取り組みにつきましては、法に則り適正に対処することは当然であり、医の倫理の高揚に、より一層努めていくこととしております。

     このほか、地域医療対策、救急医療対策、看護職員対策等に、国や県などの行政や大学など関係機関との連携を図りながら、積極的に取り組む所存でございます。

     最後になりましたが、会員の皆様におかれましては、厳しい医療環境の中ではありますが、県民の健康を守るため、医療を提供するものの高い使命感のもと、国民の目線で安全な医療の提供に努められますようお願いを申し上げますとともに、本日表彰されます会員、医療従事者各位並びにご来賓の方々のご健康とご多幸、ますますのご活躍をご祈念申し上げまして式辞といたします。

    平成22年7月25日

    石川県医師会 会長 小森 貴

被表彰者

    会員の部

        (年齢順)
        郡市医師会氏名医療施設名
         能登北部医師会  正司 政夫  珠洲市総合病院 
         加賀市医師会  吉田 明彦  医療法人社団昴生会吉田医院 
         金沢市医師会  松原 三郎  医療法人財団松原愛育会松原病院 
         白山ののいち医師会  武藤 一彦  むとう小児科医院 
         金沢市医師会  前田 敏男  医療法人社団映寿会映寿会みらい病院 
         白山ののいち医師会  松葉 明  医療法人社団松葉外科胃腸科クリニック 
         小松市医師会  東野 義信  医療法人社団東野病院 
         能美市医師会  柳瀬 晴也  医療法人社団柳瀬医院 
        (年齢順)
        郡市医師会氏名勲  等受章年月日
         白山ののいち医師会  浅井 恭一  旭日双光章  平成21年11月3日 
         小松市医師会  前田 邦彦  旭日双光章  平成22年4月29日 

    医療従事者表彰の部(343名)

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